研究室のコンセプト

連成現象とは,複数の現象が互いに相互作用する現象のことです。例えば,電磁場と構造,流体と構造,熱場と構造,等が挙げられます。従来の解析においては,現象間の相互作用が小さいことを仮定し,各現象を個別に解析するアプローチが主でした。一方,連成解析においては,現象間の相互作用も含めて解析を行います。現象間の連成が強くなると,定量的解析のためには,場合によっては,定性的解析でさえ,連成解析が必要となります。

本研究室では,有限要素法をベースとした教育研究を行っています。 特に,複数の現象が互いに相互作用する連成現象を有限要素法に基づき解析する手法やその応用に関する教育研究をおこなっています。 世の中の現象は程度の差こそあれ連成現象といえ,近年の機械構造物の複雑高度化を背景として,連成現象を解析する必要性が高まってきています。

手法

a. 電流‐熱‐構造連成解析

接触電気抵抗を考慮した電流解析,接触熱抵抗と溶融を考慮した熱伝導解析,熱弾塑性大変形大ひずみ接触解析を組み合わせた連成解析手法および連成解析フレームワーク,マルチスケール連成解析法を開発しています.

b. 構造‐流体‐電界連成解析

階層的分解アプローチに基づき,構造,流体,電界の強連成問題に対する新しい有限要素解法を開発します.またそれを応用して新しいMEMSの開発を行います.

c. 電磁構造連成解析

核融合炉や磁気浮上列車などの導電性構造物に生じる磁気減衰現象の有限要素解析手法,連成振動特性,連成に伴う数値不安定性に関する研究を行っています.

d. 流体構造連成解析

生物や膜構造などに生じる大変形・大移動する構造と流体の強連成問題のための新しい有限要素解析方法を研究しています.

対象

a. 抵抗スポット溶接

電流,発熱,材料の接触と変形に伴い複雑な連成現象が生じており,連成有限要素解析によって現象を解明し,溶接条件設定に応用しています.

b. 昆虫羽ばたき飛行

昆虫羽ばたき飛行の力学に関する研究を行っています.またそれを応用した昆虫規範型MAVの開発を行っています.

c. MEMS

MEMSに生じる連成現象の有限要素解析手法や構造設計手法に関する研究を行っています.その成果を生物規範型MEMSに応用します.

d. ピエゾアクチュエータ

ピエゾアクチュエータの有限要素解析手法に関する研究を行っています.バイモルフアクチュエータやSAWアクチュエータの解析に適用します.

研究プロジェクト(最近6年間)

  • 平成29年度~平成31年度,マルチフィジクス強連成解析による昆虫規範型MEMS飛行体の開発,科研基盤(B),研究代表者(石原)
  • 平成28年度〜平成30年度,抵抗スポット溶接時に生じる電流-熱-接触変形-ミクロ接触多重連成メカニズムの解明,科研基盤(C),研究代表者(堀江)
  • 平成26年度~平成28年度,1mmの2.5次元構造は飛翔できるか?~マルチフィジクス計算力学による挑戦,科研基盤(C),研究代表者(石原)
  • 平成24年度〜平成26年度,2.5次元シミュレ-ション技術を活用した、耐圧・薄肉製品製作用リングプロジェクション溶接の高度化技術開発,経済産業省戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン),副総括研究代表者(堀江)
  • 平成25年度,養殖魚管理用水中ロボット「海の牧羊犬」の実用化研究,JST研究成果最適展開支援プログラムA-Step,研究代表者(石原)
  • 平成23年度〜平成25年度,MEMSに生じる電界-構造-流体連成振動現象のモデリングと連成効果の検討,科研基盤(C),研究代表者(堀江)
  • 平成23年度~平成25年度,ハイブリッド強連成解析に基づくマイクロマシンの汎用マルチフィジクスシミュレータ,科研若手(B),研究代表者(石原)
  • 平成23年度,マイクロマシンの構造-流体-静電界相互作用シミュレーションのためのインターネット並列計算プログラム開発,JST研究成果最適展開支援プログラムA-Step,研究代表者(石原)
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