研究

電流‐熱‐構造連成解析

接触電気抵抗を考慮した電流解析,接触熱抵抗と溶融を考慮した熱伝導解析,熱弾塑性大変形大ひずみ接触解析を組み合わせた連成解析手法について研究しています.この解析は最近普及しつつある通常の連成解析と異なり,電流・熱・構造による強連成現象の3連成解析であるため,各現象のモデル化,連成アルゴリズムの開発が必要です.さらには,既存のコードを組み合わせる連成解析フレームワークの開発,接触電気抵抗を評価するマルチスケール連成解析法の開発も行っています.

構造‐流体‐電界連成解析

本研究では,構造‐流体‐静電界連成を,流体‐構造連成と静電界に分離し,さらに流体‐構造連成を圧力場と速度場に分割する階層的分解に基づき,構造‐流体‐静電界連成の有限要素解法を開発した.この解法は,解析自由度を低減しつつ,数値的不安定性の生じやすい流体‐構造連成を頑健に解析することを狙ったものである.

電磁構造連成解析

核融合炉や磁気浮上列車などの導電性構造物が強磁場中で振動するときに生じる磁気減衰現象の有限要素解析手法を研究しています.この現象は強連成現象であり,渦電流と薄肉シェル構造の変形の連成モードを一体型解法で解くことにより,高精度な解を得ています。この方法を用いた連成振動特性の評価方法の提案,並列解析方法の提案,さらには,分離型解法で生じる連成に伴う数値不安定性に関する研究も行っています.

流体構造連成解析

本研究では,非圧縮性流体と弾性構造の連成に対する整合プロジェクション解法を提案した.非線形方程式の反復解法の枠組みの中で,一体型方程式の平衡方程式とPPE への分割を,中間状態変数を利用して行った.この定式化により,一体型解法との整合性を保ちつつ,方程式の自由度を低減することができる.反復計算において,中間速度が速度と漸近的に一致し,PPE を解くことにより,漸近的に非圧縮性条件が満たされることを示した.本研究で用いた2つの数値計算例では,分離型解法における連成反復の収束性が悪化し,計算が破綻する可能性がある.本プロジェクション解法により,それらの問題を安定かつ精度良く解析することができた.

抵抗スポット溶接

抵抗スポット溶接は自動車産業などの幅広い製造分野で使用されていて,十分確立された技術のようにも見られています.しかし,実際には溶接電流,ジュール発熱,鋼板同士の接触と変形に伴う複雑な連成現象が生じていて,鋼板ごとに溶接電流,加圧力,通電時間などの最適な溶接条件を決めることは容易ではありません.そこで,連成有限要素解析によってこれらの連成現象で生じる複雑な挙動の解明を目指しています.こうした成果は,実際の自動車の抵抗スポット溶接や,配管継手のリングプロジェクション溶接における条件設定に生かされています.

昆虫羽ばたき飛行

昆虫羽ばたき飛行の力学に関する研究を行っています.またそれを応用した昆虫規範型MAVの開発を行っています.昆虫の洗練された飛行は,多くの研究者を魅了してきましたが,時空間スケールの小ささが研究の障壁でした.しかしながら測定や実験の方法に加え,数値解析の発展により,昆虫飛行のメカニズムが徐々に明らかにされつつあります.本研究室では,昆虫羽ばたき飛行の流体構造連成モデルを提案し,流体構造連成に対する有限要素解析手法とスケール拡大模型実験を用いて,昆虫飛行の力学的解明や応用に取り組んでいます.

MAV(微小飛行体)の柔軟翼が共振によってストローク角を増幅させるように,数値流体構造連成解析を用いて設計を行っている.

MEMS

空気中で静電力により駆動されるマイクロ片持ち梁の振動において,提案解法を用いて,実験結果とよく一致する連成解析が可能であることが示された.ここで定量的解析のためには,MEMS構造要素特有の不確定性を合理的な方法により同定する必要性があることを示した.提案解法による解析結果から,流体および静電界との連成効果により,MEMS構造要素の振動特性が大きく変化することが示された.従って,MEMS構造要素の振動特性を正確に評価するためには,構造‐流体‐静電界連成を考慮した解析が必要である.

ピエゾアクチュエータ

ピエゾ弾性効果はMEMS分野で広く用いられている.ゆえに近年その解析技術が注目されている.本研究では,ピエゾ弾性効果を正確に解析するために,有限要素法に基づく構造‐電界連成解析手法を複数のアルゴリズムを用いて開発している.また空気中に置かれた微小薄膜の場合,空気との連成も生じる.ゆえにその解析手法を開発中であり,新しいMEMSの設計開発に応用する.

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