研究の概要

つなぐ技術は産業界において欠かすことのできない技術であり,モノ,人,情報,組織,ソフトウェアなどを色々な方法でつなぐことにより,未来を紡ぐ新しい技術が生み出されています.

本研究室では,モノとモノを溶かしてつなぐ溶接の数値シミュレーションの研究,また,この数値シミュレーションによる溶接技術の向上や新しい溶接技術の研究を行っています.


抵抗スポット溶接.....点でつなぐ

複数枚の鋼板に電極から電流を印加して,そのジュール発熱により鋼板間接触面を溶融・凝固させて接合する抵抗スポット溶接は自動車製造などに利用されていますが,この溶接は接触変形,電流,熱伝導が互いに影響をあたえる複雑な3連成現象のため,溶接品質を確保・向上する溶接電流,加圧力,通電時間などの溶接条件設定が難しく,また,近年,軽くて強い車体を実現するために超高張力鋼が利用されていますが,この超高張力鋼は溶接が難しいため溶接技術の向上が望まれています.

本研究室では,この抵抗スポット溶接の接触変形・電流・熱伝導連成解析方法を開発するとともに,この数値シミュレーションにより,溶接時の連成現象の解明や溶接技術向上の研究を行っています.


アーク溶接.....線でつなぐ

鋼板と溶接棒の間に電流によるアーク放電を生じさせて,その高温により鋼板を溶かしてつなぎ合わせるアーク溶接は,プラントや船舶などの製造に利用されていますが,この溶接も接触変形,電流,熱伝導が互いに影響をあたえる複雑な3連成現象であり,また,溶接施工者によって溶接品質が大きく異るため,熟練施工者の溶接技能の伝承や技能に頼らないロバストな溶接条件,さらに,複数の溶接を行う場合は,その順序によって変形量が異なるため,溶接順序の最適化が求められています.

本研究室では,このアーク溶接の接触変形・電流・熱伝導連成解析方法を開発するとともに,この数値シミュレーションにより,溶接時の連成現象の解明や溶接技術向上の研究を行っています.


誘導加熱接合.....面でつなぐ

軽くて強い炭素繊維複合材は,軽量化が必須の航空機の機体に多用されていますが,これまでの炭素繊維複合材の組み立ては窯で接合するため時間,コストが大きいといった問題があります.このため,近年,高周波の磁場により炭素繊維に電流を発生させて,そのジュール発熱で接合する誘導加熱接合が着目されていますが,この電磁場・熱伝導連成現象の数値シミュレーションによる接合時の連成現象の理解や接合強度確保するための接合条件の設定支援が求められています.

本研究室では,この誘導加熱接合の電磁場・熱伝導連成解析方法を開発するとともに,この数値シミュレーションにより,接合時の連成現象の解明や接合技術向上の研究を行っています.


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